どのような組織でも、更なる成長においては様々な問題と向き合わなければなりません。
「問題だらけ」という話を頂くことも珍しくないほど、多岐に亘る問題を抱えている例もあります。
そしてそれは複雑で厄介なために、なかなか解決がされないこともあることでしょう。
組織の成長を図るためには、真の問題が何で、その原因がどこにあるのか、的確に把握して手を打つ必要があります。
また、一時的な解決を図るだけでは多くの場合、同様の背景で同様の問題が発生してしまうので注意が必要です。
私たちは、一つ一つの問題だけにフォーカスするのではなく、全体を俯瞰しながら、包括的かつ具体的な問題解決を図り、
それが継続性・再現性をもたらすようご支援をしています。
勿論、組織によって、ケースによって、原因も対処も様々ですが、代表的な例を以下にご紹介します。
自社の場合はどうか、是非考えてみてください。
「思うように売上が上がらない」と嘆いていませんか。
運任せ、時流任せではなく、伸び悩みに陥る背景を捉えることが必要不可欠です。
戦略性がなく現場の努力任せになっている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
ただ闇雲にエネルギーを掛けても、成果に恵まれるとは限りません。
市場の動向はどうなっているか、競合の動きはどうなっているか、自社の強み弱みは何か、
それらを踏まえ、どのようなターゲットに、どのようにアプローチすべきか、そのために
自社に必要な要素は何か、といった戦略を描くことが必要です。
計画の未達が常態化している。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
「前年比○%増」といった根拠や現実性を伴わない目標設定、方針のみで具体性の乏しい計画、目標設定と結果確認のみしか行われない管理体制、などに起因していることが多くあります。適切な目標や計画、それを実現する管理体制を見直すことが求められます。
成果を上げるための最適な組織構造になっていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
一般に、地域別、顧客特性別、取引規模別、商品別、本部制からなる階層型、フラットで
小規模なユニット型、等々、組織構造の組み方は多種多様です。
外部環境の変化や戦略方針に変化があったにもかかわらず、従来の組織構造を安易に踏襲
している組織では、往々にして機能不全や機能重複が見受けられます。
このような場合、戦略やメンバーの特性を踏まえた組織再編が望まれます。
「やろうと思えば本気で力を入れてやれば良い」などと思っている間にアイディアは陳腐化します。
貴重なアイディアを単なる夢物語に終わらせないために、考えるべきことは何でしょうか。
単なる着想どまりになっており、これから何をすべきかが明確になっていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
市場の規模や成長性を検証するのか、収益化できるビジネスモデルを検討するのか、
採りうる戦略の選択肢を挙げるのか、参入判断を行うための材料を集めるのか、フィージビリティスタディの計画を練るのか…等々。
まずは新規事業の立ち上げといった大きなゴールではなく、目的やフェーズを区切ったショートゴールと議すべき内容を明確にすることが必要です。
すべきことは定まっているが推進力が足りない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
背景には、実行すべき内容が具体的なレベルに落とし込まれていない、納期設定だけで実際にいつやるのか明確な時間軸が計画されていない、明らかに実践不能な業務量で計画されている、担当者が曖昧もしくは特定の人に限定されている、進捗管理や軌道修正が予め計画されていない、等々、計画段階での問題が目立ちます。
実務担当者の能力や人員を考える前に、具体的な活動設計が必要です。
メンバーの実現意欲が欠けている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
感覚的ですが、「担当者の本気度を感じない」「現場での連携が悪い」といった印象を受ける場合がこれにあたります。
このような場合、トップの危機感やビジョンが伝わっていない、現場の悩みや実情が無視されている、等々、コミュニケーション不足による弊害から他の場面でも同様のことが起きているケースが散見されます。
このようなときには、一見遠回りなようですが、それぞれの想いや考えを共有する機会を持つことが問題解決の近道になります。
多くの組織では2割の人が8割の業績を上げているとさえ言われています。
トップセールス依存や生産性の乖離を解消するには、何に着目すればよいのでしょうか。
個性尊重という大義名分の下、現場の属人的な動きに依存している。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
個性を尊重することは勿論大事ですが、全てを個性に委ねては生産性の差は埋まりません。
生産性の差を生み出している要因は何か、成果を上げるために焦点を当てるべきポイント
は何か、を踏まえた最適な業務プロセスの設計が求められます。
成果を上げるための適切なKPI(Key Performance Indicator)が設定されていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
不確実な要素の多い最終成果だけを追うのではなく、その通過点となるプロセス指標を
設定し、進捗管理を行うことが必要不可欠です。
例えば営業であれば、訪問件数、面談時間、キーマン接触数、提案数、見積提示数など、
プロセスに応じた指標が一般的に用いられます。KPIは業種や職種によっても異なります。
メンバーの達成意欲や成長意欲が欠けている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
この場合、同じ理由から異なる複数の問題を抱えているケースも多くあります。
成果給や職能給の制度を設けている企業も多く見受けられますが、金銭的な報酬だけでは
十分とは言えません。
組織のビジョンやトップの危機意識を共有したり、メンバー個々人の価値観や意欲の源泉を知り、責任感・達成感・成長感・有意味感・影響感等の前向きな意欲を醸成・維持するコミュニケーションの機会を設定したり、といった持続的に意欲を高めるアプローチが望まれます。
伸びない業績を営業の資質や能力のせいにしていませんか。
拡充したメンバーが活躍できるようにするには、何が求められるのでしょうか。
明確なビジョンや戦略性がなく、単なる増員になっている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
ビジョンや戦略が曖昧なために、結果的に採用基準まで曖昧な例も見受けられます。
将来的にどのような姿を実現したいのか、そのためにはどのような人材がどのように活躍
すれば良いのか、その活躍を支える仕組みはどのようにあるべきか、描くことが必要です。
幹部陣では描いていても現場に伝わっていない場合もあるので注意を要します。
管理不足あるいは管理過剰に陥っている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
安定的に成果を上げるためには適切な管理が必要となることは言う迄もないことですが、
管理不足(形式化、形骸化、放任、…等々)や管理過剰(過干渉、複雑なルール、多大な
間接業務、…等々)に陥っていることは珍しくありません。
新たなメンバーが組織に馴染むまで、通常とは異なる管理が必要となることもあります。
どの位の期間で、どの位の成果を上げさせるのか、育成の計画と管理体制が求められます。
セクショナリズムや個人主義などから、育成に無関心な態度が風土化している。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
他部署だから関与しない、育成担当でないから教えない、といった発想が新たなメンバー
の組織への適応を遅らせます。直接的な責任者だけでなく、周囲の関与者からの間接的な影響も大きいことを認識しなければなりません。
このような風土が蔓延している場合、他の問題も引き起こす可能性が多分にありますので、
その風土が形成された背景や経緯を捉え、対処することが急務です。
伸びない業績を営業の資質や能力のせいにしていませんか。
拡充したメンバーが活躍できるようにするには、何が求められるのでしょうか。
求める人材像が定義されていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
漠然とした理想像と比較し続けていると、いつまで経っても何となく不足感を覚える状態
に陥ってしまいます。次世代の幹部を担う人材に必要な要件は何か、その中でも優先度を
付けるとするとどうか、各要素をどのように判断するか、求める人材像を明確にすること
が必要です。
中期的な育成を図る仕組みが欠けている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
そもそも育成機会が乏しい、OJTに依存している、OFF-JTが現場と乖離している、抽象度
の高い指導に終始している、実務に直結する指導しかしていない、などが典型例です。
求める人材像と時間軸を踏まえ、中期的な成長を促進する仕組みづくりが必要です。
メンバーの意思や感情が無視されている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
上述とは逆に、組織として求める人材像や育成方法は明確にしている一方で、メンバー
個々人の意思や感情が考慮されず、一方的に押し付けるような育成ケースが典型です。
自らの意思と合致しなければ成長意欲が高まらないことは明らかですし、自らの理想像と
組織の求める理想像が大きく異なるために転職を考えるという例すらあります。
意思疎通を図りつつ、成長像と成長過程を明確にし、意欲を醸成する場づくりが必要です。
指示待ち、やらされ感、中途半端、尻すぼみ、といった組織の停滞サインが出ていませんか。
社員のモチベーションと一括りにしてしまっては見えてこない根深い問題があるかもしれません。
会社のビジョンにワクワク感が足りない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
そもそもビジョンが鮮明でないケースのように、どこを目指すのか、何のためにやるのか、
を共通認識にすることも大事ですが、熱意をもって取り組めるかは一層に大事です。
ビジョン構築の段階から巻き込むことで主体性を持たせたり、例年踏襲でマンネリ感に
陥らないよう変化を感じる演出を行ったりすることで、活力を取り戻すことが必要です。
指示系統が複雑になっている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
とくに複数の拠点を持つ企業や機能別の組織編成をしている企業で見受けられます。
指示系統が複雑だと、発信者と受信者のバランスを欠き、あれもこれもとなりがちです。
結果的に全てが中途半端になることのないよう、業務や権限の整備が必要です。
現場の声が聞き入れられていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
現場の声とは、意見や提案だけではなく、表明されていない不満なども含みます。
このような組織では、階層間や部門間に溝があり、対立構造が生まれています。
結果、指示する側と指示される側、管理する側と管理される側、考える側と動く側、
といった認識をする習慣が生まれ、受け身な態度や他人任せな態度を生み出します。
上述の「溝」を埋める仕掛けや機会を用意することが有効です。
「何だか似たようなミスやトラブルばかり」と感じる場合は要注意です。
目の前で起きていることだけでなく、その背景まで的確に捉える必要があります。
ルールや仕組みが形骸化している。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
本来、ルールや仕組みは組織としてのビジョンや価値観、戦略が反映されたものです。
こうした意味情報や感情情報は、伝達過程で機械的になったり省略されたりします。
ルールや仕組みの「なぜ」を認識させることが、トラブルの事前対処に繋がります。
オペレーションの標準化ができていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
オペレーションの標準度が低いと属人的な対応が多くなりミスを誘発します。
標準化を図るためには、業務を分解し、単純化し、工程や分掌を最適に組み直す作業が
求められます。例外規定やケース別の多いマニュアルなどは典型的な改善対象です。
組織内での情報流通が円滑でない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
情報は全方位的に適切に共有化されることが望ましいですが、現場の実態が管理者に共有
されない、現場メンバー間で成功例・失敗例ともに共有されない、という例は目立ちます。
結果的に、本質的な問題解決がされなかったり、成功例は再現されない一方で失敗例は
繰り返されたりといった事態が生じ、改善が一向に進まなくなります。
情報流通の意識を高めるとともに情報流通の仕組みを構築することが望ましいと言えます。
「忙しい」を理由にできないことが増えていませんか。
慢性的な人員不足を繰り返さないために、考えるべきことは何でしょうか。
業務ベースでの「選択と集中」が為されていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「戦略構想」機能が欠如している例です。
「必ずやること」と「やった方が良いこと」との切り分けができないというのが典型です。
このような場合、業務量全体が把握されておらず、「やった方が良いこと」が無限に増殖
していきます。前例踏襲に+αでなはく、業務を減らす意思決定も必要です。
タイムバジェット(時間予算)の設定が習慣化されていない。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「実行推進」機能が欠如している例です。
言う迄もなく時間は有限です。にもかかわらず、生産性の低い人ほど、どのくらいの時間を
投じるのが適切かという概念がなく、実際にどのくらいの時間を使ったかという認識もない
ものです。時間をお金に例えるならば恐ろしいことだと誰もが思うことでしょう。
お金の使い道に予算を設定するように、時間の使い方にも予算を設定する習慣が必要です。
低生産性を看過する風土になっている。
これは当社の定義するNo.2機能のうち、「組織調整」機能が欠如している例です。
残業が常態化している組織ほど、「仕事が終わらないから仕方がない」といったコメントを
口にする人が多く見受けられます。
本当に業務量過多の場合もありますが、終わらない前提で臨んでおり、生産性の低い状態でも気に留めないようでは、決して改善は望めません。
一時的な業務改善だけでなく、継続的に生産性を高め続ける風土の醸成が必要です。